技術員(ゲノム解析)のお仕事紹介|沖縄の専門学校・大学を選ぶ・資料請求するなら|ミライチズ

JOB Introduction  Professional people キミにピッタリの職業をさがそう!

技術員(ゲノム解析)

最先端テクノロジーでゲノムを解析!研究者のサポートをします

沖縄科学技術大学院大学

沖縄科学技術大学院大学
新垣奈々さん

技術を活かす

 技術員は、様々な技術と経験を組み合わせて、研究者とともに研究者が解明したい種々の現象をデータにして研究のサポートをします。研究者がより詳しく、より早く、普遍的な自然法則を研究できるよう、技術員がその時や目的に最も適した技術を使って、研究者が求めるデータを提供します。
 また、私はゲノム解析の技術員としてお仕事をしています。ゲノム解析の技術の発展スピードはとても速いので、最新の解析技術の情報をいち早く取得して現在のテクノロジーを把握し、最も良い解析手法を見出すために日々の情報収集は欠かせません。

技術員(ゲノム解析)ってどんな仕事?

技術員の中でも、私のようなゲノム解析技術員とは、ゲノム研究を技術的な側面からサポートする人のことです。中学校で習うと思いますが、ゲノムとはある生物を作るために必要なひとそろいの遺伝子情報のことを言います。生物の種類によって、ゲノムの大きさは違いますが、例えば沖縄科学技術大学院大学(OIST)で世界で初めて解析されたサンゴ(コユビミドリイシ)のゲノムは4億2千万の文字列から構成されています。ただ、実際にゲノム研究を行うためには、単に4億2千万の文字列データを取得すれば良いわけではなく、その数百倍のデータを取得して解析を進める必要があります。
順番としては、まずは研究者が生き物のサンプルを集め、そのサンプルを私たちが特別な処置をしたうえで、専用の機器(シーケンサー)を用い、解析を行います。言葉にするととても簡単ですが、実際には扱う生き物の種類によって細胞を構成する物質も違ってくるので、その違いに応じた実験の工夫をしなければなりません。シーケンサーなどの解析機器は値段がとても高いものが多く、私たちのような専属の技術員が操作・解析し、出したデータを研究者に渡すことで、機器を有効に使い研究の効率をあげることができます。OISTには、私のようなゲノム解析技術員以外にいろいろな研究に応じた専属の技術員がいます。

  • 沖縄科学技術大学院大学 新垣奈々

    大型機器(シーケンサー)を操作中

  • 沖縄科学技術大学院大学 新垣奈々

    機器を使ってサンプル解析をしている様子

  • 沖縄科学技術大学院大学 新垣奈々

    テラスで外国人の同僚と話している様子

■ 県内の現状

沖縄という土地柄、海の生き物のサンプリングをすることは多いですね。また、このOISTの組織理念に世界トップクラスを掲げていることもあって、ここには世界中からもたくさんの人が集まってきて、日々様々な研究・実験が行われています。

■ こんな人におすすめ

最新のテクノロジーが好きな人ですかね。また、情報収集をすることが好きで、勉強を続けることができる人に向いているお仕事だと思います。

■ 給与・待遇・休日

新卒の年収
博士卒:3,500,000(2017年4月実績)
修士卒:2,486,000(2017年4月実績)
学士卒:2,446,000(2017年4月実績)

実験に合わせた生活スタイルにはなりますが、基本的に土曜日、日曜日はお休みです。有給休暇を利用して休むこともあります。

夢を叶えた人にインタビュー : 技術員(ゲノム解析) : 沖縄科学技術大学院大学 新垣奈々さん

沖縄科学技術大学院大学 新垣奈々

「人生にたくさんのピークを」

― 技術員(ゲノム解析)を目指したキッカケを教えて下さい ―

面白そうだから、を選択し続けた結果
最初から技術員を目指していたわけではないんです。小さいころから自然が好きで、生命現象を明らかにする研究者に憧れて大学院に進学しました。しかし、在学中に強く感じたことは、「最先端の技術がより良い研究へ導く」ということでした。科学と技術はまさに両輪なんです。それから気持ちが「最先端の技術って面白そう・・!」という方向へシフトしていきました。人生の選択の岐路で「面白そうな道」を選んでいたら、結果として今の仕事に行き着いたという感じなので、この仕事も一生続く仕事とは思っていないんです。

― 技術員(ゲノム解析)の一日ってどんな感じですか? ―

実験に合わせたスケジュール
特に決まった時間はありません。私の場合は基本的に9時30分に出勤して、実験の待ち時間にお昼ご飯を食べたり、情報収集をしたりします。子供の迎えがあるので18時頃には帰りますね。実験の時間と、自分のライフスタイルに合わせてスケジュールを決めています。

沖縄科学技術大学院大学 新垣奈々

― 技術員(ゲノム解析)の仕事のやり甲斐は何ですか?逆に、この仕事の厳しさも教えてください。 ―

立ち止まれないこと
私にとってのやりがいは、「立ち止まれないこと」ですかね。
テクノロジーの発展は日進月歩で、立ち止まってしまうと情報についていけなくなってしまいます。しかし、進化の激しいテクノロジーにうまく寄り添い、様々な技術を組み合わせて実験を続けることができれば、難しい実験が成功する確率は高まります。実験が成功した時は本当に嬉しく、このような試行錯誤を地道に積み重ねた先に世界トップレベルの研究を支える解析技術の基盤ができるんだろうなと感じています。大変なことは研究者の色々な要望を、今の技術でどこまで実現できるかを見極めることです。今の正解が、1年後の正解ではない。そんな中で考え続けることは大変ですが、私にとっては大変さより、面白いという気持ちの方が強いですね。

― 将来、自分はこうありたいというキャリアプランなどありますか? ―

直面する問題と、それを超えていくための知識
スマホの原型が肩掛けバッグのような大きな携帯電話だったように、今は機械の小型化が進んできていて、実際私たちがよく使っているシーケンサーという機械も、すごく小型化して、価格も安くなっています。このままいくと、私たちが持っている大型のシーケンサーが役目を終え、誰でも機械を持ち運んで場所を問わず実験ができる時代になるかもしれません。私たちのような専門の技術員も不要になる時代がだんだん迫ってきていると感じています。ではどうするか。今はそれを考えているところで、ITの勉強を始めたり、技術開発で生き残る道を模索しているところです。でも決して悲観的ではなく、むしろ、この荒波を楽しみながら毎日新しいことを学んで新たな自分自身の道を開きたいと思っています。

沖縄科学技術大学院大学 新垣奈々

デスクワークの様子

― 技術員(ゲノム解析)をこれから目指す後輩にアドバイスを! ―

人生は、一つの分野に決めなくてもいい
私が伝えたいことは、夢はたくさん持ってもいいということです。
むしろ、一つの進路、あるいは一つの夢にこだわらない方がいいんじゃないかなとも思ったり。テクノロジーの発展が進んで、将来どういう仕事が残っているのか分からない時代に来ていると思います。職業安定ばかりを求めずに、みなさんには可能性がたくさんあるので、その幅をどんどん広げていってほしいなと思います。そしてその結果、「面白い」と感じたことを自分の強みにつなげていく、でも決してそれが生涯の仕事にならなくてもいい、という柔軟な姿勢で人生を楽しんでほしいと思います。

夢を叶える為のミライチズ