染織家
身近なものから紅型を感じてほしい。
城紅型染工房
吉濱 愛さん
- 今や紅型は着物だけじゃないんです!
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伝統を受け継ぎながらも、雑貨や衣類、携帯入れや小物など身近に使える紅型の品を作っていくお仕事です。
紅型のデザインからデッサンし、それを型紙に写します。それから型紙を切り取り、布に糊付けした後色付け、乾かすまでが一連の仕事になります。
染織家ってどんな仕事?
紅型の模様にしたい図をデッサンし、それを型彫りしていきます。それから地張り、型附け、色差し、刷り込み、隈取り、色止め、糊伏せ、地染め、色止めなどの様々な工程を重ね完成という形になります。
紅型は沖縄を代表する伝統工芸で、糊で突き彫りされた型紙を用いる技法です。型を置いて柄部分の色に顔料を使い、手挿しで色を挿したものを紅型と呼びます。
型彫り作業中
天気や湿度によって糊の定着時間が大きく変わります
たくさんの色の中から完成図をイメージしながら配色を決めていきます
- ■ 県内業界の現状
以前まで紅型といえば琉球王朝の王族や士族の礼服として、または御冠船踊の衣装として用いられていました。そのため、紅型の技法が承継されにくく、着尺、帯等の価格の高い商品中心の生産が多くあり、観光客等の消費者ニーズに対応した商品開発が遅れているのが今の現状にあります。
そのため、県内の染色工房は身近な物から紅型を知ってもらおうと体験や小物作りに励んでいます。- ■ こんな人にオススメ!
様々な作業をするものの、最終的には“ものづくり”に繋がるのでそれが好きであればいいと思います。
ただ作るだけではなく販売力も必要になるので、接客が好きな人もいいかもしれませんね。
作品を作るときはテーマを決めて、それに伴って絵を想像していきます。想像した絵を絵に表すスケッチ力、観察力(ものの形、空間力など)があると苦労しないのかもしれません。
- ■ 給与・待遇・休日など
家族で工房とお店を開いているところも少なくないので、お店によってさまざまだと思います。
一日で糊付けから色付けまですると乾燥に時間がかかるので、だいたい8時間ぐらい作業しているのではないでしょうか。
ステップアップすると
常連のお客さんから特別にオーダーを受けたり、高価な商品を任せてもらえます。
日頃培った信頼が商品販売につながっていくのではないでしょうか。
夢を叶えた人にインタビュー : 染織家 : 城紅型染工房 吉濱 愛さん
- ― 染織家を目指したキッカケを教えて下さい ―
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私、染色一家なんです(笑)
小さいころから物を作るのが好きだったのと、もともと実家が染色工房でよく家の手伝いをしていて、作ることで楽しさがわかっていったのがきっかけです。
中学生の時からやってみたいと思っていたので、高校も染色科に進み染色について早い時期から深いことを学ぶことができました。
家族みんなで工房やお店を営業しているので毎日とても楽しいです!
- ― 染織家の一日ってどんな感じですか? ―
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朝8時半から工房で型紙の糊付けに取り組みます。一つのものを一日で作るのではなく、いくつかのものを何日かかけて作っていきます。糊付けが乾燥するのを待つ間にほかのものの色付け、という感じです。
お昼を挟み、午後からも続きの作業をし17時頃終わります。
お店の営業は10時から18時なので、作業の合間を縫ってお店の手伝いも行います。
- ― 染織家の仕事のやり甲斐は何ですか?逆に、この仕事の厳しさも教えてください。 ―
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大変だけどその中に達成感があります!
うれしいのはお店で直接接するお客さんの反応ですね。頭の中で描いていたイメージが実際に紅型になったとき達成感を感じますし、自分の作ったものをお客さんが買ってくれた時は一番嬉しいです。
楽しいだけでなく、一つ一つの作業が手作業で神経を使う仕事なので毎日大変です。Tシャツ一枚作るのにデザイン・型紙を作るだけでも2?3週間かかる時もあります。
天気や気温により色の定着が変わるので、染めるのに1?2週間かかる時も。
作業は大変ですが、そのなかに楽しいことも多いので苦になりません。でも、天気に左右されるのが一番大変と言っても過言ではないかもしれません。
- ― 将来、自分はこうありたいというキャリアプランなどありますか? ―
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紅型をもっと多くの人に知ってほしい!
まずは地元から紅型を広めていきたいと考えています。
インターネットを利用しながら県外、国外にも広げていけたらいいですね。
実際に工房で体験してもらうことで、紅型を身近に感じてもらえるように今後も励んでいきます。
- ― 染織家をこれから目指す後輩にアドバイスを! ―
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勉強は学生のうちに!
何事も信念を持ち、計画を立てて進めばなんでもできます!
頑張ってください!
それと、勉強は学生のうちしかできないから今のうちにやった方がいいよ。